腰椎椎間板ヘルニアについて
背骨は小さな椎骨が縦に積み重なる構造になっており、その間には椎間板というクッションの役割を担う軟部組織があります。椎間板は、外側の「線維輪」と内側の「髄核」という2層構造になっており、加齢などの影響で椎間板が変性・断裂し、髄核が飛び出してしまった状態が腰椎椎間板ヘルニアです。飛び出した髄核が周囲の神経を圧迫することで、腰や足に痛みや痺れなどの症状を引き起こします。特に50代の男性に多く見られる傾向があります。
腰椎椎間板ヘルニアの主な症状
- 腰部や臀部の痛み
- 脚の痺れや放散痛(ビリッと電気が走るような痛み)
- 脱力感、足に力が入りにくい
- 背骨が左右どちらかに曲がってしまう
- 動きづらさや可動域の制限
- 重い物を持った際の激しい腰痛
- 排尿・排便の障害
多くの場合、発症初期にはぎっくり腰のような強い痛みが現れ、その後数日〜2週間ほどで足の痺れや神経症状が目立つようになります。
腰椎椎間板ヘルニアを引き起こす主な原因
腰椎椎間板ヘルニアの主な原因は加齢による椎間板の変性です。これに加え、長時間同じ姿勢を続ける習慣や猫背などの不良姿勢、喫煙習慣もリスクを高める要因とされています。
腰椎椎間板ヘルニアの検査・診断方法
診断では、まず症状が出た時期や特徴、既往歴や服用中の薬剤について丁寧に問診を行います。そのうえで、レントゲンやMRIなどの画像検査を行い、ヘルニアの有無や程度を評価します。身体診察では、仰向けで膝を伸ばしたまま脚を上げて痛みや痺れの有無を確認するSLRテスト(下肢伸展挙上テスト)を用いて、坐骨神経への影響を調べます。また、脚の感覚や筋力の状態も併せて確認します。なお、画像でヘルニアが確認されても、明らかな症状がない場合には治療が不要なケースもあります。
※当院では、MRI検査が必要と判断された場合には、連携先の専門医療機関をご紹介いたします。
腰椎椎間板ヘルニアの治療方法・再発予防
強い痛みがある急性期には、症状の悪化を防ぐため安静を保ち、腰を冷やさないよう心がけましょう。必要に応じて、コルセットで腰を安定させることも有効です。治療では、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)や筋弛緩薬の内服などを症状に合わせて使い分けていきます。また、ご自宅でのセルフケアや日常生活における姿勢・動作の注意点についても具体的にアドバイスしています。
ただし、足の脱力や排尿・排便障害といった重度の神経症状がある場合や、保存療法で十分な改善が得られない場合には、手術を検討することになります。現在では、内視鏡を用いた低侵襲の手術法が普及しており、体への負担が少なく、早期回復が期待できるケースも増えています。
